今は別の仕事をしているけれども、デザインの勉強をしてみたい。専門学校に通いたいけれども、デッサンもやったことがない。大丈夫かな…?
私はデザイン系の専門学校の受験対策を始めるまでデッサンの経験はほぼゼロで、絵もほとんど描けなかったものの入試に合格できたし、クラス一番の成績で卒業もできたので、大丈夫だと思います。
私は仕事としてはデザインとは全く関係のないバックオフィス系業務を行っていましたが、自分のやりたいことを考え直す中でグラフィックデザインに興味を持ち、社会人6年目にデザイン系の専門学校(2年制の夜間部)に入学しました。私の経歴はぜひこちらをご覧ください。
専門学校に入学するための具体的な準備を始めたのは、入学する2年ほど前からです。
「学校で勉強したい!」と思い立ってから合格するまで約2年強。独学で挑戦しようとしましたが、早々に見切りをつけ、プロの力を借りました。
少し長くなりますが、具体な受験対策について書こうと思います。
- デッサンなど、デザインに必要そうな基礎を学んだことがないが、どうすれば専門学校に合格できるのか知りたい。
- デザインに興味はあるけれども絵は描けない。専門学校に合格できるのか不安。
- 働いているのであまり時間に余裕がないが、入試の準備ができるのか不安。
- 絵の勉強をしたことがないが、独学で入試対策ができるのか。できないとしたらどこで対策すべきか知りたい。
絵が描けないデッサン経験ゼロの文系会社員が、デザイン系の難関専門学校に合格するまで
私が通っていた専門学校の入学試験について
私が通っていた専門学校は、倍率も高く、入学に際しては一般入試は試験と面接がありました。試験はデッサン。推薦入試は、ポスター制作とポートフォリオ提出がありました。私は、一般入試に一度不合格となってしまいました。そこからさらに1年間デッサンを勉強し(1年浪人をしたわけです(笑))、次の年は推薦入試を受け、合格することができました。つまり、本格的な入試の準備期間は2年間でした。
1. 専門学校について調べて説明会に行く
入りたい学校を調べて志望校を定める
専門学校に行きたいと漠然と思い始めたのは、実際に入学する3〜4年くらい前からです。そこからネットなどで学校を調べました。調べて行く中で、デザイン系の専門学校にも、理論やデザインをする上での考え方や基礎造形から学ぶスタイルの学校と、実践メインの二種類の学校があると感じました。
私は、前者の方が自分に合っていると思ったので、そのような学校の中でも有名なデザイン系専門学校を見つけ出し、そこを志望校として定め、入学を目指すことにしました。
説明会に行って相談する
そうと決まれば話は早いです。入学案内の資料を取り寄せ、説明会やオープンキャンパスの日時を調べて早速学校に行ってみました。説明会では、個別相談も受け付けてくれていたので、そこにいらっしゃった学校のスタッフの方に、当時自分が抱えていた不安について相談しました。
例えば、自分が年齢のこともあって焦っているということ、働きながら通えるのか、デッサンの勉強をしたことがなくて合格できるのか不安であるということ、などなど。今思えば随分ざっくりした質問だなと思いますが、当時は本当に入試まで何をすればよいのか具体的には全くわかっていなかったからだと思います。
2. 入試の過去問を見て、自分で対策できないか模索
過去問は学校のサイトや入学案内に掲載されていたので、どのような試験なのかはすぐに分かりました。それを見て、デッサンの試験だと知ります。デッサンの経験がほぼゼロだった私は、ゼロにも関わらず、なんとか自分で対策ができないかを模索しました。
例えば、ネットで「デッサン 基礎」と調べて、なんとなくそれを真似してスケッチブックに描いてみる、など。でも今覚えば、そもそもデッサンに使う鉛筆は何が良いのか、鉛筆はどのように削れば良いのか、鉛筆の他に必要な道具は何か、など、何もわかっておらず、とりあえず家にあった適当な鉛筆を使っていました。
「パース?」「陰影?」はて…?
といった状態でした。
私の誰かに教わった方がやる気が出ることや飽きっぽい性格もあり、独学の作戦はすぐに断念しました。あ、無理だなと。このままだと時間がかかりすぎるし、効率も悪いので、誰かに頼った方が早いということに気づきます。
3. カルチャースクールの初心者のためのデッサン講座に参加
初心者の講座を受けてみて、やっていけそうか試してみることに
そこで、友人がとあるカルチャースクールのデッサンの短期講座に参加したと言っていたことを思い出します。
とりあえず、何をすればいいのかわからないし、そもそも「デッサン」とは何かも分かっているつもりで分かっていないから(目の前にあるものを描けばいいんでしょ、とどこかでおそらく思っていました…(汗))、初心者向けのデッサン講座に行ってみることにしました。そこで様子を見てみようと。自分もこれをやっていけるのかを試してみようと、そう思ったのです。
デッサンの基礎知識を学び、より本格的な対策のための絵画教室を探す
ちょうど思い立った時期に講座が開講していたので、早速申し込みました。確か全5回ほど、5名ほどのクラスで、道具も全て用意してもらえました。
そこで、デッサンとは何か、鉛筆はどのように削ればよいのか、硬さの異なる鉛筆はどのように使い分けるのか、など、デッサンを始めるにあたって必要な基礎知識を教わることができました。カルチャースクールということもあって、楽しく学べる場所でした。
デッサンこそなかなか苦戦したものの、それ自体はそこそこおもしろいと感じた私は、なんとかやっていけそうと感じ、入試のための本格的な対策をしてくれる絵画教室を探し始めます。
4. 入試対策として絵画教室に通う
入試対策のための絵画教室を探し出す
上記でも書きましたが、私は一度独学で試験対策をしようとしましたが、早々に挫折しました。そこで、プロに頼ることを決意。自分が行きたい学校の試験対策をしてくれる場所を探すことにしました。
ここでまたネットの登場です。とりあえず、「(志望校) 試験対策 絵画教室」のような検索ワードで調べました。
すると、検索結果の上位の方に、通いやすい場所にある絵画教室を発見。私の行きたい学校の試験に特化した対策をしてくれるとのこと。しかも、私のように働きながらその学校の夜間部を目指す人でも通えそうなコースが開講されていました。
絵画教室に見学へ。週一コースに通い始める
そこで、早速見学に行ってみることに。一人一人にカスタマイズされた課題をその日に渡されて、各自黙々と取り組みながら、先生が回ってアドバイスを適宜してくださるスタイルでした。
見学に行ったことにより、雰囲気を知ることができました。また、先生からはどのように対策を進めるか、必要な道具は何かを教えていただきました。
そして私は、その教室に週一回、通うことにしました。
その教室に決めた理由:
- 場所・時間的にも通いやすかった
- 私の行きたい学校への合格実績が多くあった
- 基礎から指導していただけそうだった
5. 入学試験に挑戦するも失敗。志望校の社会人向け基礎コースに入学する
入学試験に不合格となる
絵画教室に通い始めてから入試まで約10ヶ月。一般入試(デッサン)の受験をしました。結果は不合格。後期の試験を受けて再チャレンジすることもできましたが、そこで考え直します。
このまま後期の試験で合格したとして、入学後やっていけるのか?と。
まだ何か自分に足りないような気がしていました。造形に触れていなさすぎると思ったのです。作ることや、描くことに…。
志望校の社会人向け基礎コースに入学
どうしよう、と思い学校のサイトを見ていると、社会人向けの1年間の基礎コース(平日の夜、週3日)があることを発見。ここで一年学びながら、絵画教室での対策も続けようと思い立ちます。
早速学校から資料を取り寄せ、書類を準備。書類審査のみで、問題なく入学が決まりました。なんとなくホッとしたと同時に、わくわくしました。
入学を決めた理由:
- 自分は造形に関する基礎が身についていないので、1年間勉強してみようと思った
- 学校の雰囲気を知ることができると思った
- 本当にデザインの勉強をしたいのか、自分の覚悟を試してみようと思った(週3で無理なら無理だろうと思った)
6. 二度目の挑戦。推薦入試で合格、無事入学へ
受験対策と造形の基礎の勉強を同時進行
学校の基礎コースと並行して、絵画教室の週一コースにも引き続き通いました。つまり、デザインのための何かしらの勉強に充てていたのは、合計で週4日です。
学校では、造形の基礎を学びました。デッサンや塑像、色彩、「美しい」とは何かを考えながら立体を作ったり…。
私と同じように、夜間部を目指す人も何人かいて、そこで仲間を見つけることもできました。
推薦入試を受験、2年の準備期間を経て、ようやく合格!
一般入試よりも推薦入試のほうが時期が早く、準備期間もあったため、二度目の挑戦はまず推薦入試を受けてみることに。課題の提出が必要だったため、学校や絵画教室の先生方に何度も見ていただき、アドバイスをいただきながら進めました。
結果は合格!
合格後も、3月いっぱいまでは引き続き絵画教室に通いました。
本格的に受験対策を始めてから2年かかってしまいましたが、なんとかスタートラインにつくことができたのでした。
まとめ:独学ではなく、様々な方のご指導、同じ志を持った仲間に勇気付けられ合格できた
デッサン経験ほぼゼロの私にとって、独学は無理でした…。働いている社会人にとって、独学よりプロに任せた方が効率良く入試の対策ができると思いました。
色々な先生方にご指導いただいたり、同じような志を持った仲間にも勇気付けられ、様々な方の力を借りて合格することができました。
もし、同じような境遇の方がいれば、この記事が参考になれば幸いです。頑張ってください!